活字中毒のオトナたちへ。

毎晩子供が寝る前に絵本を読んでやりながら、ふと読み手の自分がデジャブに囚われて呆然としてしまったり、ストーリーの本筋とは離れたところがいたく気に入ってしまったり、内心あれこれと作者にツッコミを入れたくなったことはないだろうか。

絵本の世界を純粋に楽しんでいる子供の気持ちを邪魔したくはないが、この気持ち、なんとか誰かと共有したい!! 
そんな思いからつくってみたのがこのブログである。

世の中、絵本を紹介するメディアは星の数ほどあれど、その多くは子供向けの絵本を子供向けに清く正しくオススメしているものばかり。
かと思えば、初めから「オトナ向け」に作られた絵本も数多出版されているが、たいてい作り手の意図がミエミエで胡散臭く、興味がわかない。
むしろ一般にコドモ向け、特に幼児対象とされている絵本の中にこそ、コドモはコドモなりに、オトナはオトナなりに楽しめる、「一粒で2度おいしい」名作秀作がゴロゴロしているのだ。絵本好きなら誰もが知っている大ロングセラー絵本も、はたまた知る人ぞ知る絶版絵本も、改めてオトナの視点で読んでみると意外な味わいに目から鱗が落ちることがある。貴方のお子さんのお気に入りのあの絵本も、あなた自身が読む本として読んでみれば、新しい発見があるかも知れない。

絵本が好きだ!と、いいオトナが公言するのは少し恥ずかしいと思っていた私だが、今や絵本は生活の一部である。幼少時、毎日のように近所の図書館に通っていた自分が大好きだった絵本の中には、未だ超ロングセラーとして書店で平積みになっているものもあれば、既に絶版になっているものもある。でも、そのどれもが、今読むと新しい発見があり味わい深く感じられ、時をこえ世代を超えて「いいものはいい」ことを実感させられるのだ。
ちなみに、読むものが無ければ財布を漁ってコンビニのレシートまで読んでいた私の20年来の活字中毒は、再び絵本を読むようになってからほとんど解消してしまった。
あふれる情報に翻弄される生活から、人間らしいゆとりを取り戻したようでちょっと嬉しい。