2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

こどものともは今も友

日本全国の絵本好きがリスペクトして止まない存在、それが福音館書店の月刊物語絵本「こどものとも」である。 1956年の創刊以来、オリジナリティあふれる創作絵本を世に送り続け、数え切れないほどの改訂・増刷を経てなお、世代を越えて愛され続ける名作が数…

船上のカリスマ主婦

わたしのおふねマギーBアイリーン ハース Irene Haas うちだ りさこ福音館書店 1976-07by G-Toolsカリスマ主婦が政治家になるご時世だが、行き着くところまで行ってしまった彼女たちはもう「主婦にとってのカリスマ」とは言えない存在になっている。なぜなら…

不器用な彼の涙目

どこどこどーもどこへいく合田 経郎日本放送出版協会 2001-07by G-Tools言わずと知れた日本放送協会の公式キャラ どーもくんである。背負っている看板が デカイだけに「ユルキャラ」と切り捨て られることは無いようだが、その佇まいは 間違いなくユルキャラ…

ブログ開設しては見たけれど。

我ながら、何でこんな時期に始めちゃったんだか。 やったらハマルって分かってた。だからこそ、今まで 人に誘われてもオヨビ腰で聞き流してきたのに。入学式も目前に迫る中、学用品・手作りグッズの準備も 全然進んでいないと言うのに、気が付けば寸暇を惜し…

もっともっとこわ〜い夢とは

リサのこわいゆめアン グットマン Ann Gutman Georg Hallensleben 石津 ちひろブロンズ新社 2001-09by G-Toolsいつも減らず口を叩いてばかりで小生意気な 印象の強いリサだが、この本では珍しく弱気に なって子供らしく空想の産物を恐がっている。 案の定、…

ほんとうに人間はいいものかしら

手ぶくろを買いに新美 南吉偕成社 1988-03by G-Tools美しい日本語には語る喜びがある。 冒頭、初めての雪に驚き、無邪気に戯れる狐の子の描写は それだけで心が洗われるような気がする。 「お手々がちんちんする」なんて表現がサラっと出てくる幼い狐の子の…

巨大な食材をノコギリで切る快感

おおきなおおきなおいも―鶴巻幼稚園・市村久子の教育実践による赤羽 末吉福音館書店 1972-10by G-Tools 巨大なものに憧れる気持ちというのは本能だろうか。 もう理屈抜きでワクワクする。 そのせいか大きな食べ物を大勢で寄ってたかってどーした こーしたと…

あげどんべんとうはプリン付き

こんとあき林 明子福音館書店 1989-06by G-Toolsきつねのぬいぐるみ「こん」と妹分の人間の子「あき」のロードムービー風ストーリー。 「リサとガスパール」もそうだが、あきらかに人間でないものがごく普通に人間の生活にとけ込んで行動しているという設定…

かおつきぱんの不敵な笑い

ぶたぶたくんのおかいもの土方 久功福音館書店 1985-02by G-Tools この絵本がなかったら「オトナノトモ」は誕生しなかったかも知れない。それぐらい思い入れが強く、これから先もずっと、間違いなく私の生涯の絵本ベスト3に入るであろう一冊をご紹介しよう…

活字中毒のオトナたちへ。

毎晩子供が寝る前に絵本を読んでやりながら、ふと読み手の自分がデジャブに囚われて呆然としてしまったり、ストーリーの本筋とは離れたところがいたく気に入ってしまったり、内心あれこれと作者にツッコミを入れたくなったことはないだろうか。絵本の世界を…