はてなダイアラー絵本百選:「算数の呪い」〜理系思考の効用

算数の呪い算数の呪い
ジョン・シェスカ レイン・スミス 青山 南 Jon Scieszka

小峰書店 1999-01
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理系の人に縁がある。
学生時代から、自分自身は理数系の科目は全滅に近いヒトだったのに、何故か仲良くなる相手はバリバリの理系の人が多かった。
成績は悪くても数学や物理に敵意を持つことなく学生時代をやりすごせたのは彼らのお陰かも知れない。
そういえば、親しさの度合いで言うと女よりも男友達の方が多かったのも、今思えばまるで理系人口の男女比がそのまま反映されたかのようだ。
  
ところで、偶然にも私が親しくなる理系人には以下のような愛すべき共通点がある。
 
 1.要領よく他人に迎合するのが苦手
 2.自分の趣味について語らせると長い
 3.常に自分の中に結論を持っている。
 4.気持ちの切り替えが早い
 5.こだわるところとどうでもいいところの落差が激しい
 
…というか、上記の要素が複数あてはまる友人を思い浮かべてみるとみんな理系だった(笑)。
  
ちなみに私は5番以外は全てあてはまらない。外面が良いぶん優柔不断という、ある意味典型的な文系人間である。
そんな自分にとって彼ら理系人との会話は常に刺激的であり、その大胆な(と、私には思える)理論展開には目からウロコが落ちまくりで、精神的に行き詰まりを感じる時などには非常にありがたい存在となる。
 
 
そんな彼らとの楽しくも刺激的なコミュニケーションを彷彿とさせるのが、この絵本。
冒頭からしてもう、ワクワクさせてくれる。
 
月曜日の算数の時間、フィボナッチ先生がいったのよ、
「みなさん、たいていのことは、
 算数の問題として 
 考えられるんですよ」

 
理系友人たちから学んだ私が思うに、これは真理である。
特に、一旦悩み出すとあれこれ考えすぎてドツボにはまりがちな、そこの文系のアナタ!
これはたいへん実用的な発想転換法なので、覚えておいて損はないです。さぁ、メモったメモった!
 
では、あなたを悩ます問題を今一度、整理してみよう。それはなぜアナタを苦しめるのか?
しがらみにがんじがらめになった人間関係。こじれた恋愛関係。
多すぎる仕事。実力を発揮できない環境。
健康不安、経済的な不安…etc.
割り切れない思いに鬱々とした日々を送っているのは、割り切れないのではなく割り切る為の解法を見落としているからではないだろうか?
まずは、落ち着いて現状のアドバンテージを探して数値化してみよう。
ひょっとするとあなたの不安の正体は発生確率の低い未来のトラブルへの妄想かもしれない。
(ちなみに私の場合はたいていこのパターンなので、経験を積んだ今はいざという時この発想で頭を冷やして早めに落ち込みから脱出するように心がけている。)
 
算数の良いところは、どんな問題にも必ず至るべき唯一の解があることだ。
解法は人それぞれでも、どっちみち同じ解につながるのなら、せいぜいその過程を楽しもうではないか。
だいたい人生でぶつかる諸問題はどれも、必死で解決したところで果たしてそれが「正解」だったのか「不正解」だったのか、死ぬ瞬間まで誰にも分からない。ならばいっそ自分の出した答こそが正解だと信じて前向きに次の問題に取りかかろう。
 
おそらく、人生の成否は問題の正答率ではなくいかに本人が解を求める過程を楽しんだかにかかっているのだ。
泣いても笑っても同じなら、笑っている方が良いに決まっている。

 
※ところで私がはてなダイアラー絵本百選のバトンを受け取ってから既に2ヶ月半が経過してました。
ようやく更新したのでふってくれリストを確認すると…あれ、こんな少なかったっけ(^^;)?
何はともあれバトンは無事、薔薇の写真がキレイだったid:anninさんへお渡ししました。よろしくドゾー