もっともっとこわ〜い夢とは

リサのこわいゆめ
アン グットマン Ann Gutman Georg Hallensleben 石津 ちひろ
ブロンズ新社 2001-09


by G-Tools
いつも減らず口を叩いてばかりで小生意気な
印象の強いリサだが、この本では珍しく弱気に
なって子供らしく空想の産物を恐がっている。
案の定、こわいこわいと思うほどより恐ろしげな
妄想が膨らんでいくのだが、この妄想の中身が
リサらしく、ニヤリとさせられる。

親友のガスパールに怖い夢のことを打ち明け
「泊まりに行ってあげようか」なんて優しい
言葉をかけられる。が、その夜リサは、
「まえよりも もっともっと こわ〜い」
夢を見てしまうのだ。
さて、その夢の内容を表す一枚の挿絵は
無表情なキャラクターならではの味があり、
不覚にも読み聞かせ中に爆笑してしまった。

何食わぬ顔でボケをかまして読者のツッコミを
待ち受けているような、作者夫妻の粋な仕掛け
に満ちているリサとガスパールシリーズは
「おとなのとも」にふさわしいと思える。