不器用な彼の涙目
どこどこどーもどこへいく 合田 経郎 日本放送出版協会 2001-07 by G-Tools |
どーもくんである。背負っている看板が
デカイだけに「ユルキャラ」と切り捨て
られることは無いようだが、その佇まいは
間違いなくユルキャラ感を漂わせている。
このどーもくんが森で線路を見つけ、
戯れに作ってみた車輪付き木箱に乗って
みたらこれが動きだし大変なことに・・・
という子供受けバッチリなストーリー。
ここで特筆すべきはどーもの表情の
意外なほどの豊かさである。
ご存じの通りどーもくんの顔は何時
いかなる時も開けっぱなしのデカイ口と
点のようにつぶらな瞳という極めて
シンプルな要素で構成されているのだが、
この黒目オンリーの瞳の表現力が
侮れない。この本では進退窮まって
ついにおばけにつかまりそうになり、
怯えてチビリそうな涙目のどーもが一転、
黒目を血走らせ(?)男の踏ん張りを
見せるのが楽しい。